二宮尊徳の政道論序説
−報徳書獺祭記−

岡田 博著
(富士信仰研究会代表/1929年生まれ)

2004年6月刊 
ISBN4-87294-319-8
A5判・374頁・上製本・函入

5900円

大藤修「序」より 
「本書は、尊徳の思想と実践の意味を、大部の『二宮尊徳全集』と格闘して読み解き、混迷をきわめる現代社会への警鐘とされんとした、執念の書である。…
尊徳の「政道論」「政治政策」を把握するうえで岡田さんが最も重視されたのは、『二宮尊 徳全集』第二巻所収の「仕法雛形」である。これは原文書を縮刷オフセット印刷で収録されており、…本全集のかなでも最も活用されてこなかった史料である。しかし岡田さんは、この仕法雛形は尊徳が最も力を注ぎ、門人たちの総力をあげて編んだ畢生の書であり、幕府に国家財政の根幹と国家政策全般にわたって建議したものであるとみなし、根気強い読解作業を通じて、尊徳のめざした国づくりを明らかにすることを試みられている。第6章の大半はそれに費やされているが、この点は本書の白眉である。」

著者「自序」より 
「本書収録の文は『かいびやく』誌(報徳団体「一円融合会」発行)に連載した「二十一世紀への架け橋に―報徳書獺祭記―」と題した18回連載のものと、同誌停刊後も書き続けた15回分を合わせたものです。「報徳書 獺祭記」というのは、正岡子 規の雅号「獺祭書屋主人」の真似をしたもので、子規居士の述べた「獺(かわうそ)という動物は魚を獲えても食べずに並べておいて楽しんでいるという」から借用したものです。…貴重な報徳図書を書架いっぱいに並べて、背表紙を眺め悦に入っている身を愧じて、また読んだとしても読みっぱなしではなく、何かを思い何かを書こうと始めた次第です。」
【主要目次】
1 神儒仏三昧即席御料理考
2『報徳秘録』開巻
3「分度論」愚考
4 番外 桜町領仕法と不二孝仲間
5 勤労と労働と仕事
6 報徳無利息金貸付けと現代金融考
7 奥谷松治著『二宮尊徳と報徳社運動』を読む
8 遠山信一郎著『日本精神と新興報徳』を読む
9 上浦種一著『詩人二宮尊徳』を読む 
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