羽黒修験
―その歴史と峰入―


宮家 準 著
(國學院大學教授/日本山岳修験学会会長/1933年生まれ)

2000年10月刊
A5判・288頁・上製本・函入
ISBN4-87294-180-2
5900円

出羽三山の中で、特に修験の拠点として栄えた羽黒山は、古来、独自の統治機構、師檀組織を擁し、神仏分離後も神社と修験がそれぞれ峰入を行うなど、修験道の性格を今に伝えている。本書は、まず羽黒修験の歴史を地方組織の展開を考慮に入れて論述し、次に羽黒修験の秋の峰と松例祭の調査分析を試み、併せて日本宗教についての外国人の業績を紹介。

【主要目次】

第1章  羽黒修験の性格
(修験道とは/羽黒修験の位置/羽黒修験の歴史/羽黒一山の組織/羽黒修験の峰入と信仰/羽黒修験の研究)
第2章  羽黒山の開山伝承
第3章  羽黒一山の成立と展開
(一山組織の成立/室町期の羽黒一山/武藤氏と羽黒一山/上杉・最上氏と羽黒一山/中世末期の一山組織)
第4章  近世における羽黒一山
(天宥と羽黒一山/輪王寺門跡と羽黒一山/覚諄の一山組織の改革/近世羽黒一山の構造)
第5章  羽黒修験の地方組織
(中世の羽黒在地修験/羽黒山の末派修験支配/本・当両派との確執/霞・檀那場と道者)
第6章 羽黒派修験の変容−岩手県宮古を中心に−
(里修験の成立/里修験の展開/各地の里修験/里山伏の組織と活動/別当社僧の復飾と宮古の修験/宮古の神道界の動向と旧羽黒派修験)
第7章  近・現代の羽黒一山
(羽黒山の神仏分離/山麓衆徒の再組織/羽黒修験の再興/現代の羽黒一山)
第8章 羽黒修験の秋の峰
(秋の峰の実態/秋の峰の構造/秋の峰の機能/秋の峰を支えている宗教的世界/秋の峰の護身法と九字)
第9章  羽黒山の松例祭
(出羽三山神社の松例祭/松例祭の研究史/松例祭の縁由と意義/松聖の冬の峰修行/松聖の験力/松例祭と羽黒の一山組織)
第10章  外国人の羽黒修験研究
(バイロン・エアハート/カーマン・ブラッカー 他)

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