神社合祀とムラ社会 


喜多村理子著

1999年9月末刊
A5判・252頁・上製本・函入
ISBN4-87294-152-7
5200円

ムラの歴史の中で、宮騒動のような政治的結集はめったに起きる出来事ではない。
しかしながら、起こるべくして起きた事件であった。宮騒動は、地域社会の中で脈々と培われてきた人々の絆のあり方を象徴的に物語るものであり、人々の日常性を読みとらなくては、非日常的事件がなぜこのような形で起こるのか、どうしてそのような過程を辿るのか、理解することができないであろう。
明治末期から大正にかけて行われた神社合祀に対する住民の対応の諸相を考察し、日本のムラ社会の実態を描く。


【主要目次】

T 神社合祀と宮騒動 −鳥取県東伯郡安田村の場合−
 
第1章 地方改良運動と神社合祀政策
神社合祀の時代的背景/鳥取県における神社合祀政策

第2章 鳥取県東伯郡安田村大字八幡における宮騒動
大字八幡の歴史的展開/神社合祀に対する抵抗/
     児童同盟休校と宮騒動/氏神の復祀

第3章 宮騒動当時の地域社会の状況
神社合祀政策に対する新聞および地元住民の反応/行政村とムラ

第4章 ムラ社会の構造
ムラの領域と構成戸/ムラ運営と階層/水利慣行

終 章 身体感覚化されたムラの秩序と国民統合政策

U 地方改良運動期における神社・寺の統廃合と
ムラの再構成
−滋賀県野洲郡三上村の2つのムラを比較して−

第1章 北桜における神社・寺の統廃合とムラの再編成
現在の北桜の祭祀組織/東組と西組/神社・寺の統廃合とムラの再編成

第2章 南桜における神社合祀
現在の南桜の祭祀組織/組と祭祀/神社合祀と信仰の変化



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