近世史研究叢書A
近世の朝廷運営―朝幕関係の展開―

久保 貴子著

1998年5月刊
A5判・340頁・上製本・函入
ISBN4-87294-115-2
6900円
2005年2月 2刷出来
本書は、幕府が規定することになる近世朝廷の朝廷運営に焦点をあわせて、その形成過程と形成後のそれをめぐる朝廷内の確執と幕府の対応などを検討し、朝廷の変容の実態を明らかにする。また、幕府・朝廷各々が朝廷を公儀の中にどのように位置づけようとしたのかを明確にし、あわせて公儀の一構成要素となった朝廷の位置の変化を改元を通じて検証することで、幕末・維新期の朝廷像への展望としたい。 (序章より)
【主要目次】
序章 近世朝幕関係史研究の課題
第1章 朝廷の再生と朝幕関係
新上東門院の朝廷における位置と役割/女院制度と皇位継承に見る幕府と朝廷/改元制度に見る幕府権力
付章 幕府統制下に見る天皇家と有縁寺院
第2章 霊元天皇の朝廷運営
霊元天皇即位後の朝廷/小倉事件/一条兼輝の関白就任/霊元天皇の譲位
第3章 朝廷運営をめぐる霊元上皇と近衛基熈
近衛基熈の関白就任/霊元上皇の政務移譲/武家伝奏、議奏の任免
第4章 「公儀」の中の幕府と朝廷
将軍継嗣と天皇継躰決定/近衛基熈の関東下向/徳川家継と八十宮の婚約
第5章 上皇・天皇の早世と朝廷運営
桜町天皇没後の朝廷運営/宝暦事件と桃園天皇の急死/後桃園天皇の皇位継承とその死
第6章 改元に見る朝幕関係
霊元天皇期の改元/改元に見る朝廷の位置/光格天皇期の朝幕関係/仁孝天皇期の改元と女院制度/幕末の改元
終章 近世朝廷の形成と変容

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