臨時増刊  2003年5月

【地方史文献年鑑・地方史情報の収支決算

 地方史文献年鑑の2001年版ができた。正直いって、この本、売れない。出すたびに赤字である。昨年刊行した2000年版の数字は以下の通り。
 制作費は、「年鑑」本体で230万円、それに、このデータ作製の元になった「地方史情報」10号分320万円を加算して、550万円。いっぽう売上は、「年鑑」が120冊で153万円、1年間で120冊しか売れてない!。それに「地方史情報」の購読料が1390人で139万円、計292万円。差引き258万円の赤字。これを毎年やるわけだから、これはきつい。こんなことをいつまで続けられるのか。今回の2001年版は 発行部数を300部に減らした。それでも多い。
 こういうことは、いったん始めると、なかなか止められない。続けていれば、全国から雑誌が毎日のように届くし、それを「地方史情報」として発信することによって、岩田書院の評価が高くなる。そうなれば新しい企画がくる。売れる本ばかりとは限らないところがつらいのだが…。それがあるからこそ、私1人でやっている出版社が、年間新刊発行点数30〜40点、という状況を維持できるのである。
 出せるうちは出すしかないだろう。今はまだ「出せる」と判断している。それは、毎年2000万円近い宣伝費や、この「年鑑」などの赤字を埋めてくれている売上げがあるからである。これが出せなくなった時は…、おしまい。


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