No276  2003年4月

学会と出版社との微妙な関係(2)

 機関誌の編集・製作の形態を見ると、@会員がパソコンを使って編集し、印刷・製本だけ印刷屋さんに頼む場合、A会の編集担当者が、印刷屋さんに原稿(データ)を渡して組版をしてもらい、校正のやり取りをして、印刷・製本してもらう場合、B原稿集めから原稿の割付けや校正のやり取りなどを、印刷屋さんや編集プロダクションや出版社に委託する場合など、いろいろある。
 最近、日本民俗学会の『日本民俗学』は編集プロダクションを通していたのをやめたし、日本風俗史学会の『風俗史学』や中央大学の『中央史学』は、出版社が製作を受けていたのをやめた。現在、岩田書院が編集製作に関わっている機関誌もあるが、それもできるだけ早めに切り離したいと思っている。学会の事務局の態勢ができれば、機関誌の製作に出版社は関わらないほうが、お互いにとって、いい関係を長く続けられそうな気がしている。
 と、ここまで書いてきたら、日本経済評論社の『評論』135(2003.2)のコラム「神保町の窓から」に「学会に欠かすことのできない「会誌」や「年報」は、向こう見ずながら、小社が全力で手伝う」という文章に出会った。私は腰がひけているのか。


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