No.914(2015.05)

【昭和天皇実録】

『昭和天皇実録』全19冊が刊行され始めた。4月16日付の業界紙『新文化』の記事によると「3月27日に東京書籍から刊行された『昭和天皇実録 第一』、『同 第二』(本体 各1890円)は、予想に違わぬ伸びを見せ、現在3刷、2冊合わせた累計が9万部に達している。」という。
 この本、どこから出版されるのだろうか、と思っていた。まず考えられるのは、歴史書出版の老舗で『明治天皇紀』『昭憲皇太后実録』も出版している吉川弘文館だろう。しかし、入札の結果、東京書籍に決定。この本、1冊700頁くらいある。さすがの吉川弘文館も、1冊の定価が2000円の見積りは出せないだろう。買う立場にたてば定価は安いほうがいい。ということで、1か月たたないで2冊で9万部か…。
 でも、完結まで順調にいって4年、最後まで買う人って、どのくらいだろうか。図書館などの定期も入れて1万部か。2000円×1万部=2000万円。それで充分、利益が出るのか。ふ〜ん、岩田書院には無縁の世界だな。