No.817(2013.07)

【校正:「若い頃は」編】

 前回の「裏だより」No.800に校正について書いたが、私、若いうちから、あんなに開き直ってないですからね。
 今でも覚えているが、まだ私が名著出版の社員だったころ、平田篤胤全集の復刊企画があって、山田孝雄校訂『多満太須幾(たまだすき)』を底本として使用させていただきたいと、ご子息の忠雄先生のお宅に伺った。快諾していただいたのだが、では版本と、もう一度校正してから出しましょう、ついては毎週版本1冊ずつ校正して持ってらっしゃい。ということになってしまった。
仕方がないので、やりましたよ。最初のうちは、先生のほうが正確で、私の見落としがかなりあったが、最後のころには、私のほうが正確になってきて、先生からお褒めの言葉をいただくようになった。このおかげで、自信がついたものです。
 若い頃は、私も、こういうことをしていた、というお話でした。