No.729(2011.12)

【おかげさまで即「品切」。だが…】

 今年(2011)の7月に出した『松平家忠日記と戦国社会』(9500円・450部)が5か月で完売。普通なら即「増刷」なのだが、そうは いかないところが難しい。
 岩田書院の場合、新刊が出来ても委託配本しないので、「発行部数−在庫数=実売数」になる。在庫の動きを追ってみよう。
 8月末で一気に184冊に減っているが、9月47冊、10月21冊、11月11冊、12月0冊。
 ただ、この本、特殊事情がある。まず 出版記念会の参加者には1冊お土産です(会費の中に本代を含む)。そのあと、執筆者一同でお世話になった人に献本分を買上げ(ここまでは、私も部数を読んでいる)。そのあと、編者が お世話になった方々へ献本分を買上げ(この部数を読んでいなかった!)。これで9月末には、一気に品切状態。これで買うべき人の所には、だいたい行き渡った感じ(もっとも、買いそうもない人のところにも行っているのも確かである)。
 新刊なので、ジュンク堂をはじめとする主要書店10店舗くらいには1冊置いてもらってる。図書館からの基本的な注文もある。が、それも刊行後3か月くらいで落ち着く。
 増刷の見積りをとったら、150部で60万円、200部で70万円。90冊売れないと原価回収ができない。で、どうする?。増刷したら、せっかくの利益が無くなっていくし。
 で結局、「増刷する」という決定を先送りする、ということにしたが、これって、「増刷しない」と言ってるのと同じことだなあ…。