No.590(2009.12)

【原稿整理・校正雑感 「 」内の処理】

 「 」内に「 」が入る場合は、『 』に置き換える方法があるが、それは避けたほがいい。「 」内に「 」が入ると、「「○○」○○」となって判りにくなるためだが、べつに換える必要はないだろう。カッコは、長いものと、文字幅の途中までの短いものとの、2種類があって、それを使い分ければ混乱も少なくなる(ただし、パソコンレベルの文字では1種類しかないので、使い分けはできません)。
 日本史系の論文では、書名・雑誌名は『 』、論文名は「 」を使う、という了解事項があるので、「 」を『 』に置き換えてしまうと、おかしなことになる。たとえば、
  『地方史研究』における「地方史」「地域史」の用例
という論文を出典として表記する場合は、
 執筆者名「『地方史研究』における「地方史」「地域史」の用例」(『雑誌名』号、年)
とすべきであって、
 執筆者名「『地方史研究』における『地方史』『地域史』の用例」(『雑誌名』号、年)
と置き換えたら、おかしなことになるだろう、ということです。
「 」でくくった引用文中の「 」も同様。
 ちなみに、「○○○。」のように末尾に句読点がくる場合は、役物(やくもの)の重なりは避ける、という原則に従って、それを省略するのが一般的。ただし、法令や小中学校の教科書などは、省略しないのが原則。
「 」「 」が続く場合は、「 」・「 」のように (・)(、)などを入れないが、長い文章が続く場合は、入れたほうが判りやすいだろう。