No.515(2008.06)

製作原価の公開C 1冊あたり原価】

 岩田書院では日本史系の初版部数の標準が500部、民俗系が400部でしたが、今年になってから、それぞれ400部・300部に減らしました。発行部数が減っても、組版代や編集経費は変わりません。印刷代も500部以下は ほどんど同じなので、下がりません。減るのは、せいぜい材料費(紙代ほか)くらいです。なので、発行部数を減らせば総経費は下がりますが、1冊当たりの単価は上がってしまいます。
 単価が上がれば定価を上げればいいのですが、こうしてどんどん定価が高くなって、ますます本が売れなくなるという状況になっているので、これ以上は定価を上げられないから上げない。となると、どうなるか。
 総経費が下がるので、原価回収までの目標冊数が下がります。部数を減らしたおかげで品切になった場合は、もうちょっと作っておけば、その分、儲かったのに…、ということになります。
 でも、そういう場合は あまりないので、これは 考えないことにしましょう。