No.505(2008.4)

【『地方史情報』『地方史文献年鑑』曲がり角

 『地方史文献年鑑』が、今回の2006年版で10冊目になった。1冊目の97年版(1999年刊)は700部作った。売れると思ったんですね。でも、これが売れない。98年版は500部に落とした。これでも多かった。99年・2000年は400部、2001・02年は300部、そして2003年以降は250部である。「本」という形で出すのは限界かもしれない、という部数である。
 年鑑のもとになっている地方史情報も含めて、データをウェブ上で公開する方向で考えたほうがいいのかもしれない。
 さしあたり、年鑑の2005年までの分は、皓星社(http://www.libro-koseisha.co.jp/)の「雑誌記事索引集成データベース」にデータを提供して、検索できるようにした(現在工事中)。岩田書院でも、地方史情報に掲載しているデータを順次 ウェブサイトに載せるようにしようと考えている。ネット検索でヒットしない文献は、この世に存在しない、と思われてしまうのもシャクだし。でも、そうなると、紙の媒体はどうなるのか。ますます、出せなくなってしまうのではないか。どうする。
 でも、各地で発行している雑誌を岩田書院に送ってきてくれるのも、年鑑の調査をボランティアでやってくれるのも、地方史情報をを発行し、年鑑を発行し続けているからであって、これが、ウェブ上で公開させていただきます、だけではダメだろう。となると、やはり続けるしかあるまい。