No.500(2008.03)

編集実技 修正は後ろから】

 最近は組版データを出版社で作るところが多くなっている。印刷所でも同じだと思うが、校正で直しが入った場合、常識的には前から順番に訂正していくだろう。そうすると、文字の増減があると、それによって行の増減がでて文章が移動する。そうすると、実際のパソコンの校正画面と紙のゲラ(校正紙)とのずれが生じる。
 これを避けるためには、最後のほうから修正していくことだ。そうすれば、文字・行の移動は、修正箇所の後ろに反映されるので、画面と校正紙の赤字箇所とパソコン画面の該当箇所は、ずれずないため、修正箇所が探しやすくなる。もちろん、行が移動すると、見出しや写真・図版の位置関係がずれてくるので、それを確認しなければならないが、その作業は、最後から始めた修正が最初にたどり着いたあとで、逆に頭からチェックしていけばいいのだと思う。
 この話を何人かにしてみたのだが、反応がいまいちで、あまり賛同が得られない。慣れれば、早くて確実だと思うのだが。試しに、やってみて…。