No.497(2008.03)

「KY」は「空気(が)読めない」、では「HU」は】

 「本が売れない」です。東大出版会のPR誌『UP』36-11(2007.11)の巻末コラムによると、1984年に刊行開始した『講座日本歴史』と、2004年の『日本史講座』のそれぞれ第1巻の売行き部数(販売期間2年)を示すと、15000部と6000部で、この20年間で4割になっている、とある。6割減である。
 岩田書院の例でいうと、創立期1993年の初版部数は700部だったものが、現在は400〜500部。実売部数はこの1年で、確実に50部落ちている。この50部の差は大きい。1000部作っているうちの50部ではない。かろうじて採算分岐点を超えていたものが、この50部減で採算割れになる。
 岩田書院は、新刊1点あたりの利益が少ないものを、点数を多く出すことによって、なんとかしのいできたのだが、これが逆に作用して、採算割れの本が多くなることによって、赤字が拡大する、という状態になってしまう。これって、まずい。…ですよね。