No.448( 2006.12 )

【切り裂き訂正本

 8月に出した『阿国かぶき前後』には、1枚、切り裂いて、刷り直したページを貼り付けた箇所がある。これは、製本後に間違いが判ったため、作り直すわけ にもいかず、窮余の策として、間違ったところだけ差し替える、という方法である。自慢じゃないが私もこの業界に入ってから、結構やってきた。が、それでク レームを受けたことはなかった。ところが今回は図書館から3件、問い合わせがあって、内1件は返品である。
 間違った箇所1枚を、元のほうを少し残して切り、そこに糊をつけて、刷り直したものを継ぎ足すのである。どうしても加工した形跡が残る。これがいけないらしい。図書館では、本に書き込みをしたり、切り取ったりする輩がいるので、それと紛らわしい、ということだろう。
 こうなると、手をかけて直さなくても、直したページを印刷して、それを添えるだけにしたほうがいいのかも知れない。どこを間違ったかも判るしね。でも、それでいいのかなあ。こんなことで悩むより、間違いをしないことですね。はい。