No.447( 2006.12 )

【編集実技:赤字照合編

 校正ゲラの赤字照合をするときは両手を使う、ということは、この業界の常識かと思っていたら、そうではない、ということが最近わかった。どういうことかというと、初校で入れた赤字が、きちんと直っているかどうかを確認する際、どういうやり方をするか、ということである。
 まず、@初校ゲラを左に、再校ゲラを右に置く。そして、A左手に青鉛筆を、右手に赤ボールペンを持つ。これで準備完了。
 左手で赤字を確認、右手で直っているかどうかを確認。直っていれば左手の青鉛筆で斜めにチェックを入れる。直っていなかったり、直し間違いがあ れば、再校ゲラに右手の赤ボールペンで修正する。目の動きは、左(初校)・右(再校)、左・右、の繰り返しなので、ゲラの左右の同じ位置に目がいくよう に、左右のペン(鉛筆)で文字の位置を常にチェックできる。
 ゲラ1枚分の作業が終われば、そのページの初校の赤字にチェック洩れがないかどうかを確認(行の移動やページの移動も確認)。そして、初校ゲ ラ・再校ゲラを、両手で同時にめくる。そのためにも、ゲラの綴じをはずしておく必用がある。なぜかというと、綴じたままのゲラをめくるためには、両手を 使ってめくらなくてはできないし、綴じが厚いと、綴じ箇所が膨らんで作業しにくい。はずしてあれば、両手にペンを持ったまま同時にめくれる。
 慣れないと、左手でチェックを入れるのが案外むずかしいが、慣れれば、これが一番確実で作業効率がいいと思うのだが、意外と知られていないので、書いてみた。