No253  2002年7月

【「家業」としての出版―「地方・小通信」より】

 「地方・小出版流通センター」の川上さんが、出版業界紙『新文化』の連載コラム「地方・小通信」(2002.5.2)に、次のようなことを書いている。
  「(前略)2001年の地方・小出版流通センター扱いの、新刊データがまとまりました。出版点数2881点で、前年の2581点より、11.6%も増えています。
 大手・中堅出版社は、採算性をより厳しくしないと経営が成り立たなくなりつつあるため、点数を絞り、著者にとっては、その規模の出版社からの出版機会が減りつつあります。その結果、いままで中規模出版社が引き受けてきたものが、次のクラスの小出版社に向かったり、自費出版化したりと、発行元の移動や変化が顕著になっています。
 これを反映して、小規模出版社の出版点数増という傾向が、明らかになっているのではないかと思われます。「企業としての出版」は減少し、「家業としての出版」が再度、増加しつつあるとも言えます。(後略)」
 これって岩田書院のこと?。ちなみに、昨年の出版社別新刊発行点数ランキングで、岩田書院は31点、445位タイである。なお 歴史系学会での書籍販売の場所どりで別格扱いをされている東大出版会と吉川弘文館は、ともに134点、100位タイである(「出版ニュース」2002年5月中旬号)。岩田書院は「家業」、東大・吉川は「企業」。あたりまえか。