No240  2002年4月

【出版業界基礎講座@ 出版社と書店の違い】

 岩田書院に、他社の本を注文してくる読者がよくいる。先日も電話で他の出版社の本を注文してきた方がいたので、説明したら、意外そうな声が聞こえた。なぜだろう、と考えて、原因がわかった。どうも、出版社と書店の区別がついていないらしい。
 岩田書院は「出版社」です。製造業です。だから自社の本しか販売できません。それに対して「書店」は小売業です。だからいろいろな出版社の本を販売してます。
 雑誌には他社の商品も広告ページに載っていますが、それを雑誌の発行元に注文してもだめです。書籍広告は、すべてその雑誌の発行元の書籍だという思い込みがあるのかもしれないし、出版社の名前の区別ができていないのかもしれない。
 もっとも、会社名がまぎらわしいことも理由のひとつかもしれない。岩波書店をはじめとして、出版社なのに〇〇書店というのが結構あるし…。混乱するのも無理ないか。