No.207  2001年6月

【印税・献本・買上げの新方式 】

  岩田書院では、著者に印税を払っていない。しかし、それではあんまりなので、できた本を献本することでご勘弁いただいている。その献本が問題なのである。
  献本の冊数が少ない場合は「献本」で済むが、多くなると「印税」の現物支給だと税務署に判断され、著者にとっては収入になってしまい、岩田書院は源泉税を支払わなければならなくなる。だいたいの場合、著者は、小社からの献本数以上に本を買ってくださるので、結果として、著者は本を買上げていることになるのだが、それなのに、受取ってもいない印税を受取ったことになるとは、ちょっとおかしい。そこで、
 @初刷は印税はナシ。献本は5冊とする。そして著者買上げ額を以下のようにする。
  発行前の注文に限り、発行部数の5%の冊数までは、定価の1割(9割引き)。
  それ以上は、定価の7割(3割引き)。
  発行後の追加注文は、定価の8割(2割引き)。
 A増刷の場合は、印税5%(これは従来どおり)。
 という案を考えた。いままでの例に当てはめてみると、著者の負担額にあまり違いは見られない。これなら、いけそうだ。ちなみに岩田書院の場合、初刷は平均600部。