No.189  2000年12月

【安いからといって飛びついてはいけない 】

 印刷業界も、不況の影響で組版のページ単価が安くなってきた。ことに新規開拓でセールスにくる場合は、従来の基本単価に較べてかなり安い値段を提示してくる。こちらも製作原価をできるだけ抑えたいから、少しでも安ければ、そこに仕事をだしてみようか、という気になる。そこで、この2年間で2社とやってみた。しかし結果は、ダメ。
 なにがダメか。それこそ問題続出である。まず、「はい、校正がでました」と校正ゲラを持ってきたのはいいが、ゲラが全部でていない。図表を入れ違って、別の図表を貼り付けてくる。直しの指示をしていないのに、「一遍」が「一蓮」に変換されている。論文ごとに「改丁(奇数ページ起こし)」の指示をしたら、「改ページ」になってくる。おまけに、営業マンが若いので基本的な知識が不足していて、私が言っていることが理解できていない場合がある(もう、「改丁」という言葉は死語なのかも知れない)。
 というわけで、いろいろ勉強になった…。安いことがいいとは限らない。本の定価も、そうですよ(って言うのは違うか?…)。