No.168  2000年 5月

【文献目録雑感】

@『地方史文献年鑑』(小社刊)の売れ行きがあまり良くない。97年版は1年かかって実売250部である。こちらの目論見としては、速報版の『地方史情報』の経費を この年刊版である程度おぎなえれば、と思っていたのだが、結果は、年刊版の制作原価を回収するのがやっと という状況である。そのため、98年版は定価を上げざるを得なかった。なお日本史系の文献年鑑としては、『日本史学文献目録』(朋文出版)、『全国地方史誌関係図書目録』(クオリ)があり、これらを併用するとかなりの程度調べられると思う。
 A「民俗芸能研究文献目録データベース」を民俗芸能学会で作ろうとしているが、日本学術振興会の科学研究費補助金を申請したら不採用になり、予算措置がとれないまま未着手になっているとのこと(「会報」46号による)。目録のデータを過去に遡って集めようとすると、かなりお金がかかる。小社の『日本宗教史研究文献目録2』は、データを作るところまでで160万円かかっている。
 B「日本民俗学文献目録データベース」(国立歴史民俗博物館)など、データをホームページ上で公開するケースが増えている。『台湾民間信仰研究文献目録』(風響社)は本として市販しているのに、同社のホームページで公開している。こんなことをしたら本が売れなくなるのにと、いらぬ心配をしてしまう。