No.102 1998年4月
【本が売れない】
 このごろの出版業界の挨拶は「本が売れませんねぇ」という言葉であるようだ。岩田書院には関係ない、と去年までは思っていたが、今年に入ってからの落ち込みは、激しいものがある。ことに2月末からの4週間は、それまでの約半分の売上げである。小社では、週1回、取次店に本を納品しているが、毎回平均50万円以上あったものが、この4週間は30万円台で、先週はついに30万円を割った。
 原因は2つ考えられる。1つは、刊行が遅れて新刊が出ていないこと、2つ目は、次の新刊を作ることに追われて、新刊ニュースを作れず、DMが出せないでいること。新刊が出ないで、宣伝も遅れていると、結果として売上げが落ちる。単純な話しである。
 とは言っても、3月までは、ほぼ前年の売上げを維持している。これは、助成金や、著者買い上げや、教科書採用などがあったこと、などによる。これらがなければ、困った事態になる。

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