No.41 1995年11月
【出版業界は自転車操業】
 出版ニュース社の清田さんによると、出版業界は自転車操業状態だそうである。そうだろう、確かに新刊の寿命が短くなって、常に新刊を出し続けなければ、売上げが維持できなくなっている。この岩田書院でさえ、今年の年間新刊発行点数(予定)24点を数える(出せばいいってもんじゃないのだが─)。しかも8月に出した新刊の売上げが、10月後半には、かなり落ち込んできた。実質2か月である。11月には秋の新刊が出るので、小社の宣伝も新刊中心にならざるをえない。となると、8月に出した本の動きは、ほぼこれでとまったことになってしまう。これは悲しい。
 それでは新刊点数をおさえればいい。小社の場合は、新刊を作っても、すぐには資金を回収できないので、作れば作るほど、当面の資金負担がふえる。月に1点程度ならなんとかなるが、月に4〜5点も出したときは、請求書がドォ〜ットきて、売上げがまるで追い付かない。新刊を出すのを2か月とめれば、支払い額は少なくなるが、売上げはそこそこ維持できるので、短期的にみれば資金繰りは良くなる。でも、これを続けると売上げは落ち込み、回復不能になってしまう。
 やはり新刊は出し続けなければならないものらしい。それにしても、もう少しゆっくり出したいと思う。本当に…。
     
  この願いもむなしく、今年(1996)も確実に前年を超える出版点数になりそうです。

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