No.30 1995年8月
【年間出版点数÷社員数】
 『出版ニュース』95年5月中・下旬号に、日本の1994年の出版統計がでているが、それに「出版社別新刊発行点数」がのっている。そのなかから、歴史系の出版社をひろい出してみると以下のようになる。これを社員数(『日本の出版社1994』による)で割ると、社員1人あたり何冊新刊を作れたかがわかる。社員10人以上だと1人年間2.5冊というところが平均値か。しかしこれでは専門書だけではやっていけないだろう。
 ちなみに『日本史研究』395(95.7)に広告を載せている出版社の社員数をあげると、高科書店(2)、塙書房(4)、校倉書房(4)、名著出版(4)、清文堂出版(7)、続群書類従完成会(11)、臨川書店(23)となる。
 それにつけても、岩田書院の1人年間10冊は、かなりもの。これが小社が存続している理由です。

東大出版会  164 ÷ 60 = 2.7
国書刊行会  107     43     2.5
吉川弘文館  93     50     1.9
柏書房 73     30     2.4
雄山閣出版  72     18     4.0
和泉書院 58     7     8.3
山川出版社  50     37     1.4
日経評論社  48     9     5.3
岩波書店 648     305     2.1
岩田書院 10     1     10.0
     
  1995年の岩田書院の新刊点数は23点。ということは1人あたり年間23冊になります。なんと、他社の10倍の利益率、ということになっていいはずですが、現実には、10分の1の利益率なので、10倍の新刊を作ってやっと人なみになる、という計算になります。

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