No.14 1994年6月
【毎月いくらかかるか】
 もちろん、岩田書院では毎月いくら経費がかかるか、ということです。まず基礎データから。社員1人(私のこと)、事務所と倉庫を借りています。この最小規模で、本の製作費と広告費をのぞいた経費、すなわち、毎月の通常経費がいくらかかるかということです。

  本年(94年)4月の明細は、   *1996年3月
    交通費   105,000   (出張費を含む)   24,000   (この月は出張ナシ)
    発送費   46,000   (宅配便ほか)   78,000    
    通信費   79,000   (電話・切手ほか)   110,000   (通信・発送費は増えた)
    光熱費   5,000   (電気・水道・ガス)   7,000    
    消耗品   82,000   (文具・コピーほか)   82,000    
    交際費   75,000   (のみ代など)   106,006    
    賃借料   130,000   (事務所・倉庫)   180,000    
    図書費   88,000   (学会費を含む)   35,000   (あまり本を買わなかった)
    その他   17,000   (手数料など)   34,000    
      627,000     656,000  

となります。これに、本の製作費と広告費をあわせたものが、毎月の支払い額になるというわけです。普通はこれに人件費が入るのですが、とても計上できる状態ではありません。
 ということは、本の製作原価が回収されたからといって、よろこんではいられません。広告費・通常経費・人件費までをふくめた経費が回収されて、はじめて「よかったね」といえるのですが、いつになったらそう言えるのでしょうか。どうしても、すぐにお金の話になってしまいます。やはり私も経営者になってしまったのでしょうか。
     
  2年後、売上げ高は約2倍になりました。その時点で毎月の経費がどの程度になったか調べてみたのが、上記の右側の数字です。ほとんど増えていません。しかし、この他に外部のスタッフに支払う編集費(約25万円)がかかっています。これは2年前には無かった経費です。その分だけ1冊あたりの利益率は悪くなっていますが、出版点数が2倍になって、その利益率の悪さをカバーしています。

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