著者名:根本誠二著『行基伝承を歩く』
評 者:(介)
掲載誌:「日本歴史」694(2006.3)

本書では、日本全国の巡礼寺院・温泉・墓地などに遺された行基に関わる伝承が丹念に紹介され、近世以前、行基をめぐる信仰のネットワークが存在したとの興味深い仮説が示唆されている。叙述のスタイルは、表題の「歩く」というのとはやや異なるように思うが、むしろ本文の記述や、巻末に収録された行基伝承の一部を参考に、読者に「歩く」ことを勧めた書と考えるべきか。なお、単純な誤植や脱字などがやや目立つことが惜しまれる。                                    (介)
 
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