高橋 在久著『房総遺産−普通の人達の文化−』
掲載誌:地方史研究313(2005..2
評者:井上 隆男


 千葉県共済農協連合会の機関誌『速報』に平成一二年三月まで一六年間、月二回連載された「房総水土記」や、その他の長期連載をふくめた合計七〇〇回分のなかから、千葉県の発見と理解に供するものを点検・自選した一一八編の小文を編集したのが本書である。
   目次
 1 遠古の多彩な原風景
 2 原風景の中の水土
 3 千葉県の誕生と年輪
 4 地名は地域の事典
 5 房総の生活の古典
 6 文化財と共に五十年
  追い書き

 昭和三年生まれ。千葉県教育庁文化財室長、県立美術館館長などを歴任。江戸川短期大学・国学院大学文学部を平成十二年引退。考古学・民俗学の専攻を生かして文化財と共に歩んだ五十年の活動に対して、NHK地域放送文化賞(学術)・文部大臣表彰(二度)を受賞。現在、東京湾学会理事長(会長沼田武前千葉県知事)として「東京湾学講座」を開講。千葉テレビ「辛口マスターコーナー」のメンバーとして出演。東京湾学構築と語り部を目指して精力的に活動されている。

 普通の人達の文化の視点からみた「房総史」として興味深い著書といえる。『東京湾水土記』(未来社)・『浅井忠の美術史』(第一法規)の著書がある。


詳細へ 注文へ 戻る