新刊紹介:戸塚ひろみ      『口承文芸研究』28(2005.3)
遠野物語研究所編『遠野の祭り』


 本書は、二〇〇三年八月二二日から三日間にわたり岩手県遠野において開催された「遠野物語ゼミナール」の講義記録の収録である。第一講基調講義 柳田国男と後藤総一郎 石井正己、第二講記念講演 東北の祭りと芸能−田植え踊りの原像をもとめて 赤坂憲雄、第三講小友の歴史と信仰 高柳俊郎、第四講フォーラム 三浦祐之・小田富英・曾原糸子・増子義久・小井口有。遠野物語ゼミナールは、遠野物語研究所の活動の一つであり、この年は一〇回目を迎える節目に当たっていた。だが、遠野物語研究所所長であり、同ゼミナールの中心であった後藤総一郎が急逝したため、記念のゼミナールは「しめやかな、粛然とした追悼の会」になったと高柳は記している。遠野物語がいかに語られてきたのか、また語っていこうとしているのかを知るうえでも是非手にして欲しい一冊である。

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