秋山 敬著『甲斐の荘園』
掲載誌:日本歴史 673 (2004.6)


 甲斐にあった荘園などを可能な限り検出し、典拠を明確にしつつ個別に説明する。甲斐の荘園は史料に乏しいというイメージに反して内容は豊か。著者は、自治体史編纂を通した史料収集の豊富な蓄積のうえに、系図・奥書類・金石文に及ぶ文字史料を駆使する。さらに多様な伝承、地名や地形に人間関係なども援用して、貴重な情報源となる地誌『甲斐国史』の記事を吟味し、中世の荘園を再現する。中世地域史研究のひとつの理想形として通読を勧めたい。(K)


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