甲斐の荘園 甲斐新書D

秋山 敬著
(山梨県史編さん室長/1945年生まれ)


甲斐新書刊行会発行
2003年11月刊・ISBN4-87294-031-8
新書判・212頁・並製本・カバー装
1200円

「甲斐国においては、中世以前の史料に見えるものだけでも、39の荘名が確認されており、それ以外にも、私的所有形態である点で共通する6牧、1御厨、3保、1別符を拾うことができる。しかし、残された文献史料が極めて少なく、荘名のみしかわからないものも多いという事情もあって、研究があまり進展しているとはいえない状況である。 ところで、近年の発掘調査で、平安時代の住居28軒、掘立柱建築15棟、柵列、鍛冶工房などが検出され、牧経営に関連した役所か官人の住居跡と推定されている高根町湯沢遺跡、「牧」の墨書銘を持つ土器が出土して牧関連遺跡と目される武川村宮間田遺跡などが発見されており、本書校正中にも小笠原牧の外溝が発掘されたとの新聞報道に接した。したがって、文献に残る荘園や牧の内容を整理しておくことは、今後の発掘調査などに資するためにも、必要な作業といえよう。」(本書「はじめに」より)各荘園ごとに解説し、八代・大井・大原荘などは10数ページの詳細な解説を、内容が不明な荘園は判る範囲の解説を加え、各項の末には、該当荘名がでてくる史料の一覧を掲げる。
【主要目次】
序章 甲斐における牧と荘園
第1章 甲斐の御牧  柏前牧・穂坂牧・真衣野牧
第2章 山梨郡の荘園 稲積荘・小原荘・小松荘・高橋荘・牧荘・安多荘・八幡荘
第3章 八代郡の荘園 青島荘・石和荘・石和御厨・石橋荘・市河荘・一宮荘・井上荘・石間牧・陵辺荘・長江荘・二宮荘・向山荘・八代荘
第4章 巨摩郡の荘園 甘利荘・飯野荘・大井荘・大八幡荘・小笠原牧・加々美荘・鎌田荘・経田荘・小井河荘・塩戸荘・篠原荘・志摩荘・杣保・鷹津名荘・玉荘・奈胡荘・八田牧・八田荘・原小笠原荘・藤井保・布施荘・逸見牧・逸見荘・御牧荘・武河牧・山小笠原荘
第5章 都留郡の荘園 大原荘・波加利荘(本荘・新荘)
第6章 所在地未詳の荘園 稲山保・安村別符
 
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