『甲斐源氏の勃興と展開』(岩田書院 2013年)に続いて、本書では、『甲斐武田氏と国人』(高志書院2003年)以降に発表された論考11編を収録する。 文書史料のほか、過去帳や、大般若経の奥書、棟札や金工品の銘文など、山梨県内の史料を博捜し、第一編で戦国時代の武田家歴代を考察。ついで第二編で、甲斐国内に盤踞した穴山氏・栗原氏・小山田氏などの諸氏について考察を加え、さらに第三編で、善光寺造営や、一蓮寺門前町の成立、川除普請など、甲斐国の中近世社会の問題についても論究する。
刊行にあたって(清雲俊元) 第一編 武田家歴代の研究 第一章 武田信昌・信縄父子の相克 第二章 武田信虎の生年について 第三章 四辻季遠の甲斐下向とその目的 −武田晴信の対朝廷策と関連させて− 第四章 武田晴信の「丁未歳宿願」について 第二編 有力国衆の動向 第一章 穴山氏の河内入部をめぐって 第二章 穴山信懸の生涯と事績 第三章 国人領主栗原氏の武田氏被官化過程 第四章 中世の郡内交通路と小山田氏館 第三編 甲斐国の中近世社会 第一章 甲斐善光寺の造営「善光寺普請」 第二章 一蓮寺門前町の成立 第三章 甲斐における中世 〜近世初頭の川除普請とその担い手 編集後記(萩原三雄)