富士講中興の祖・食行身禄伝
中雁丸豊宗『冨士山烏帽子岩身禄之由来記』を読む
岩田書院史料叢刊F


大谷 正幸 編著
(立正大学大学院修了/1972年生まれ)

2013年7月刊
A5判・252頁・上製本・函入
ISBN978-4-87294-817-2 C3321
6900円 (税別)
前著『角行系富士信仰−独創と盛衰の宗教』(岩田書院 2011年)に続き、富士講中興の祖といわれる食(じき)行(ぎよう)身(み)禄(ろく)(1671-1733)の生涯を記した写本を影印版で収録し、その翻刻と解説を加える。著者の中雁丸豊宗は、食行が冨士山中の烏帽子岩で自死する際に、最後まで世話をした田辺十郎右衛門の子で、親子共に角行系の富士講成立に大きく寄与した。
底本は、駿河在住の不二道の信徒によって、幕末の万延元年(1860)に書写されたもので、そこに書かれた食行の生涯は、史実というより、あくまでもフィクションとして読まれるべきものであるが、富士信仰の世界の多様性と長い歴史を語るために必要な文字資料が少ない状況の中で、貴重な資料である。
【主要目次】

解題(富士信仰総説/食行身禄以前の角行系/史実ととしての食行身禄/田辺十郎右衛門と中雁丸豊宗親子/中雁丸の著作と由来記/もう一つの由来記/由来記写本について)

冨士山烏帽子岩身禄之由来記
 第一章 富商への神告
 第二章 田辺との出会い
 第三章 入定の決意
 第四章 富士へ奔る
 第五章 山中、滅期のひと月

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