グローバル化のなかの日本史像
 ―「長期の一九世紀」を生きた地域―

河西英通(広島大学教授)
浪川健治(筑波大学教授)編

2013年5月刊
A5判・326頁・上製本・カバー装
ISBN978-4-87294-793-9 C3021
7400円 (税別)
ローカルヒストリーからグローバルヒストリーへ』(2005年・岩田書院・品切)、『周辺史から全体史へ』(2009年・清文堂出版)に続く、編者たちによる地域史論集の第3冊。
18世紀中期から20世紀前期にいたる、プレ産業化社会から産業化社会へと変貌する時代を「長期の19世紀」として捉え、その歴史像・地域史像を、東北を中心にして明らかにする。
T「近世の危機とリスク」では、長期の19世紀の端緒である18世紀中期以降の飢餓と飢饉、内憂と外患、そして環境の利用と保護について、
U「移行期の国家と社会」では、幕末から1890年代の地域における学問と社会、近代政治性の獲得、移行期に生きた青年像を、
V「地域の発見と主張」は、1920年代から現代にかけての地域をめぐる発見と主張、そして民族の今を問う内容となっている。
【主要目次】 
T 近世の危機とリスク
一八世紀におけるリスクとしての飢饉
 ―社会的リスクとしての寛延飢饉―
浪川 健治
文化期下北における内憂外患と「兵役」構想
 ―「当地の防、当地に限」―
吉村 雅美
秋田藩阿仁銅山掛山における御用焼木生産
 ―近世後期の請負生産と森林資源の持続的利用技術―
芳賀 和樹
 
U 移行期の国家と地域
幕末維新期における洋学の受容と展開
 ―大島惣左衛門の「御国益」論と「治国」の学術―
岩本 和恵
転換期の恐怖
 ―「弘前事件」をめぐる近世と近代―
河西 英通
明治青年の一時帰郷と日本ナショナリズム
 ―宮崎湖処子『帰省』を中心に―
鈴木 啓孝
 
V 地域の発見と主張
朝河貫一と入来文書の邂逅
 ―大正期の地域と歴史をめぐる環境―
佐藤 雄基
東北振興政策と人口問題 川内 淳史
戦後思想としての東北
 ―高橋富雄を中心に―
ネイサン・ホプソン
遺骨は語る
 ―アイヌ民族と人類学倫理についての考察―
アンエリス・ルアレン

ご注文へTOPEへ