正親町帝時代史論
−天正十年六月政変の歴史的意義−
『織田・徳川同盟と王権』増補改訂版
中世史研究叢書22

小林 正信 著
(博士/織豊期研究会会員/1962年生まれ)

2012年5月刊
A5判・562頁・上製本・函入
ISBN978-4-87294-733-5 C3321
14800円 (税別)
前著『織田・徳川同盟と王権−明智光秀の乱をめぐって−』(2005年 小社刊)刊行後の批判に応え改稿し、九州大学より学位を授与されたものを、さらに改稿し、第6章・第7章と、補論・付論を加え、前著から190頁増補し、改題して刊行。
本書は、近世移行過程期において避けて通れない問題である「天正十年六月政変」(いわゆる「本能寺の変」)について、その歴史的意義を総括する。信長・光秀個人の問題を主眼にするのではなく、国家論・社会制度論の観点からとらえ直し、「武家政権」と「公家一統」を普遍的な対立軸としてとらえ、より全体を見通した史観から、この時代を包括する正親町帝の治世を問う。 (著者による本書概要
【主要目次】

序 章 光秀の矮小化と信長の神格化
第1章 室町幕府滅亡年時と織田政権
 補論 織田政権の歴史的課題/
     織田政権の権力構造とモラトリアム/
     織田政権における寺社政策のモラトリアム
第2章 明智光秀と制度(足利幕府体制)防衛
 補論 明智光秀と政所執事
第3章 織田・徳川同盟と天下布武の構造
 補論 織田・徳川同盟における地位関係について
第4章 正親町帝と公家一統
 補論 正親町帝の新政と統一国家体制/
     天皇の国家原理とキリシタン禁制/
     信長の神格化問題再論
第5章 室町幕府の滅亡と統一国家体制
 補論 「覇者」の類型/
     『川角太閤記』考/
     統一国家体制の解体過程について
第6章 織田信長の統治権的支配権
      −室町幕府と織田政権−
第7章 桶狭間の戦いと東西複合国家体制
付 論 ふたたび矮小化論と神格化論
      −藤井譲治氏の近著に接して−

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