熊野観心十界曼荼羅

小栗栖 健治 著
(兵庫県立歴史博物館/1954年生まれ)

2011年3月刊
A4判・362頁(カラー128頁)・上製本・カバー装
ISBN978-4-87294-676-5 C3071
9500円 (税別)
品切れ
「心」の文字と結ばれた十界の世界、人の一生を表す老いの坂、女性の地獄、亡者を救済する施餓鬼供養など、さまざまな図像が描き込まれた「熊野観心十界曼荼羅」。
熊野比丘尼が絵解きに用いたこの宗教絵画は、時代相を反映し、近世社会において最も人気を博した地獄絵のひとつでもあった。現在60点ほどが確認されている。
本書は、図版編に、熊野観心十界曼荼羅をほぼ網羅し、そのほかに那智参詣曼荼羅、浄土双六、熊野本地絵巻などの関連図版を大型カラー写真で収録する。
論考編では、第1部で、諸本の形式分類と図像の展開、持ち歩く掛け幅画の構造と物語を中心に述べ、第2部で、熊野比丘尼の唱導絵画の特質について述べる。
そして資料編では、裏書・箱書などの銘文と、図版編の折り幅や紙継ぎ寸法を収めた。
【主要目次】
●図版編 熊野観心十界曼荼羅・地獄図・十王図・屏風など
全97図・141点(全点カラー印刷)
●論考編
第1部 「熊野観心十界曼荼羅」の成立と展開
 第1章 熊野比丘尼と絵解き
 第2章 「熊野観心十界曼荼羅」の構造と形式分類
 第3章 定型本の展開と図像変化
 第4章 「熊野観心十界曼荼羅」の図像的成立
 第5章 「熊野観心十界曼荼羅」の物語
第2部 「熊野観心十界曼荼羅」とその周縁
 第1章 伊勢・志摩の熊野比丘尼
 第2章 熊野比丘尼の「浄土双六」
 第3章 社寺参詣曼荼羅と「熊野観心十界曼荼羅」
 第4章 「熊野観心十界曼荼羅」の制作工房
 第5章 「熊野観心十界曼荼羅」の縁起的側面
 第6章 地獄絵に描かれた仏教習俗
●資料編
 1 裏書・貼紙・箱書
 2 折り幅と紙継ぎ寸法

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