後戸と神仏 中世寺院における空間と人間

小田 雄三 著
(元 名古屋大学大学院教授/1947年生まれ)

2011年1月刊
A5判・128頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-87294-670-3 C3039
1900円 (税別)
本書は、後戸(うしろど)という寺院の堂社に一般的にみられる一つの建築空間あるいは場所について、その実態を明らかにし、その空間・場としての特質を究明し、これに密接な関係をもった人々のあり方を考えようとするものである。
中世の芸能について見れば、天皇や摂関家の御願寺であった法成寺・法勝寺の後戸で演じられた猿楽は、正統なるもの(舞楽)に対して、非正統なるものであった。
著者は、名古屋大学大学院で故・網野善彦氏の指導をうけ、この「後戸」3部作を発表。その後は別の研究に進んだが、服部氏の『宿神論』に対する書き下ろしの論考を加えて、その意味を問う。
【主要目次】
後戸考(『名古屋大学教養部紀要』29A・30A、1985・86年)
 ―中世寺院における空間と人間―
  1 後戸の実態
  2 後戸の成立
  3 後戸方

中世の後戸猿楽(『年報中世史研究』10、1985年)
 ―法成寺・法勝寺の後戸猿楽―
  1 『風姿花伝』の猿楽考
  2 法成寺・法勝寺の後戸猿楽
  3 後戸と猿楽

後戸と後戸の神(『仏教民俗学大系』8、1993年)
  1 後 戸
  2 建築面からみた後戸
  3 後戸の大地

服部幸雄著『宿神論―日本芸能民信仰の研究』をめぐって(新稿)

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