韮山代官は、伊豆・駿河を中心に天領10万石を支配した世襲代官であり、幕藩制機構における代官の性格を考えるうえで恰好な代官である。本書は著者が1968年〜80年に発表した論考を収録したもので、初期代官江川家と、宝暦期の韮山代官成立以降、幕府の天保改革期までの地方支配の実態を、社会経済史・民衆史の視点から捉える。 |
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【主要目次】 |
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第1章 |
初期代官江川家 |
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史料の検討―家譜と由緒書/伊豆国の兵農分離/江川家と星谷家/代官取立て前の江川家/江川家の代官取立て/初期代官江川家/初期代官江川家の終焉 |
第2章 |
韮山代官の財政と地方支配 |
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韮山代官の成立
韮山代官の地方支配 |
第3章 |
打毀しと韮山代官 |
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下田町打毀し
大磯宿打毀し
八王子宿騒立 |
第4章 |
東海地方における天保改革前夜の情勢 |
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一揆・打ち壊しの展開と入組支配体制の破綻
幕藩領主金融の破綻と幕藩領主内部の分裂
天保改革への展望―幕府再生産体制立直し策の失敗― |
第5章 |
韮山代官の天保改革 |
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天保期韮山代官所
韮山代官の天保改革
幕府天保改革と韮山代官 |
補論 |
韮山代官の地方支配と宿駅 |
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