中世東国の街道と武士団
岩田選書◎地域の中世I
江田郁夫 著
(栃木県立博物館特別研究員/1960年生まれ)


2010年11月刊
A5判・234頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-87294-659-8 C3021
2800円(税別)
評者:前川辰徳氏(『歴史と文化』21  2012.8)

「近年、中世の街道への関心がたかまりつつある。とくに中世の街道の実態が考古学的に解明されるのにともなって、文献史学の分野でも街道に関する研究がさかんになってきている。(中略)本書では、東国の幹線交通路「奥大道」が南北に縦断した下野という地域を中心に、街道と都市、武士団について論じる。これにより、中世の奥大道や下野の特質をうきぼりにするとともに、あわせて地域の変容過程を、都市や武士団などの諸側面からあきらかにしたい。」(「はじめに」より)
【主要目次】
第T部 下野の街道と都市
第1章 奥大道と下野―中世大道の特質
 下野の奥大道ルート/
 奥大道の特質/
 その他の下野の大道
第2章 中世東国の大道
 大道の道幅/
 東国における奥大道の位置
第3章 中世の宇都宮
 鎌倉時代の宇都宮/
 南北朝・室町時代の宇都宮/
 戦国時代の宇都宮
第4章 中世の天命
 天命の範囲/
 天命の領主/
 天命宿と金屋
 
第U部 下野の武士団
第5章 鎌倉・南北朝時代の那須惣領家
 那須諸系図の特徴/
 『宝典』紙背文書中の那須系図の特徴/
 系図中の那須惣領家/
 初代資隆について
第6章 室町時代の那須一族
 伊王野氏と伊王野家文書/
 伊王野・小峰氏の養子縁組/
 応永末期の那須地方
第7章 中世の佐野荘と佐野氏
 佐野荘の荘域/
 佐野氏の家系/
 もうひとつの本拠上佐野
第8章 南北朝時代の佐野氏
 佐野師綱の系譜/
 佐野師綱の立場/
 佐野惣領家の動向
第9章 中世の鍋山衆
 鍋山衆前史/
 鍋山衆の成立/
 佐野氏忠と鍋山衆
第10章 関東八屋形長沼氏
 長沼氏の政治的立場/
 関東八屋形への途/
 関東八屋形の特質/
 関東八屋形の矛盾
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