高野山には、弘法大師空海が入定して弥勒出世を待つとする入定伝説がある。
この考え方はいつから発生したのだろうか、その理由を求めることが本書のテーマである。
高野聖らの役割はもちろんだが、天野社と平清盛との関係や、藤原道長の高野山参詣、仁和寺の天野社支配など、権門貴紳の動向をとらえつつ考察。 |
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【主要目次】 |
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第1章 |
弘法大師入定伝説の成立と展開 |
第1節 |
高野山弥勒信仰―その成立過程をめぐって― |
第2節 |
高野山納骨信仰成立前史 |
第3節 |
高野山奥の院の成立 |
第4節 |
高野山開山伝承と定賢 |
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第2章 |
天野四社明神の成立と平家 |
第1節 |
天野四社明神の成立と平清盛 |
第2節 |
行勝・天野社と平清盛 |
第3節 |
天野社と天野四社明神 |
第4節 |
保元元年の高野山大塔再建とその資材運搬道 |
第5節 |
西宮浦の史実と伝承 |
第6節 |
高野山一心院行勝上人の検討
―出身地兵庫県西宮市高木からみる― |
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第3章 |
仁和寺の発展と高野山 |
第1節 |
藤原道長の高野山参詣をめぐる問題 |
第2節 |
弘法大師入定伝説と仁和寺 |
第3節 |
仁和寺の天野社支配
―仁和寺六箇庄と覚法法親王をめぐって― |
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第4章 |
仁和寺と道 |
第1節 |
仁和寺の建立をめぐって
―光孝天皇陵と大道― |
第2節 |
福応神社と覚行法親王
―兵庫県西宮市今津という場所を手がかりに― |
第3節 |
淀川の川津「今津」を考える
―『山槐記』に見える「今津」を中心に― |
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