日本と中国の仙人

松田 智弘 著
(大阪大谷大学非常勤講師/1945年生まれ)


2010年9月刊
A5判・228頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-87294-650-5 C3014
2800円(税別)

前著『古代日本の道教受容と仙人』(1999年 岩田書院) の成果をもとに、『本朝神仙伝』に記された日本の仙人37人、『列仙伝』に記された中国の仙人72人を紹介し、日本と中国の独自の仙人像を明らかにする。
仙人は、中国から日本が古代に輸入した道教の要素であることにまちがいない。しかし中国の宗教である道教が仏教同様に日本へ伝来した記録はない。仙人的な考えが受け容れられながら、中国本来の仙人とはまったく異なる日本文化として独自な仙人を創造しているのはなぜか。
記紀・風土記・万葉集などに見える古代の仙人像から、大江匡房の『本朝神仙伝』が描く平安期の仙人像への時代的な変化も視野に入れ、仙人と風流についても考察がおよぶ。
【主要目次】
第1章 『本朝神仙伝』にみえる日本の仙人たち
 本朝神仙伝の登場仙人/
 仙人の表現/
 仙人の人物像
第2章 『列仙伝』にみえる中国の仙人たち
 列仙伝の登場仙人/
 仙人の表現/
 仙人の人物像
第3章 古代人の神仏祈願の諸相と仙人
 浦島子伝と日本霊異記/
 神と仏への祈願
第4章 古代日本の仙人と中国の仙人
 二伝の登場人物/
 仙人の祭祀/
 社会的地位から見た仙人
第5章 古代日本の僧侶の仙人と中国の仙人
 上宮太子/
 僧侶と僧侶に準ずる仙人/
 仙人と称される者
第6章 仙人と風流
 古代日本の風流の使用例/
 風流と仙人の関わり/
 仙人の態度/
 遊びと風流
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