宮座祭祀儀礼論
座と頭役の歴史民俗学的研究

真野 純子 著
(1948年生まれ)

2010年9月刊 
ISBN978-4-87294-649-9 C3039
A5判・352頁・上製本・カバー装

8400円(税別)
評者:和田光生氏(『宗教民俗研究』20・21  2013.1)評者:森本一彦(『日本民俗学』284  pp81-86  2015.11)
「宮座について、これまでの研究者の関心は祭祀の構成員に注がれ、特権性を問題にするなど、祭祀組織面からの研究が主であった。宮座や宮座とおもわれる研究論文と報告は、2003年まで1400点を超えるというが、そのような膨大な研究にもかかわらず、いまだに宮座としての概念も定まっていない。それは、祭祀組織構造からの研究では問題が解明してこないことを示唆しており、視点の転換が要請される。祭祀組織や構造に拘泥するのではなく、祭祀儀礼のなかから見直していくことが肝心であろう。筆者は1974年の拙論(「宮座論ノート」本書 第1部1章)でそのことを指摘したが、本書では祭祀儀礼での行為と意識に着目しながら宮座をかんがえていく。宮座は「座」と「頭役」という二つの要素を含んでおり、そこを踏まえて論じていきたい。」(序より)
【主要目次】
  
序  問題の所在と本書の構成

 第1部 理論編
第1章 宮座のとらえかた
第2章 行為にあらわれた宮座
      ―頭人差定・頭渡しの意義―

 第2部 事例研究編
第1章 若狭海山の神社祭祀と宇波西神事講
 第1節 海山と寺社
 第2節 宇波西神社の祭りと宇波西神事講
 第3節 氏神と熊野神事講
 第4節 総敬講と代参
 第5節 海山の地域社会と神社祭祀
第2章 近江三上の宮座にみる歴史と伝承
       ―公文と座のありかた―
 第1節 御上神社の祭祀と秋の神事
 第2節 芝原式の構成
 第3節 公文の存在
 第4節 座のありかた

結  頭役祭祀と宮座 ―頭人差定と頭渡しをめぐって―
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