幕府代官伊奈氏と江戸周辺地域
近世史研究叢書25



太田 尚宏 著
(徳川林政史研究所/1963年生まれ)

2010年10月刊 
ISBN978-4-87294-647-5 C 3321
A5判・306頁・上製本・函入

6900円(税別)

「本書は、享保改革以降「江戸城城付地」としての性格が強く打ち出されたとさ れる江戸周辺地域の編成のあり方について、「関東郡代」と称された代官伊奈氏 の動向に着目しつつ、その特色を明らかにしようとするものである。(中略)  今まで「関東郡代」という名に隠されて曖昧模糊とした存在でしか位置づけら れていなかった江戸中期の“伊奈像”に対し、一つ一つメスを入れてその基本的 性格を解き明かし、その上でそれが江戸周辺地域にどのような特色や影響を及ぼ していったのかについて明らかにしていきたいと考えている。」(「はしがき」 より)
【主要目次】
  
第1部 幕府代官伊奈氏の基礎的考察
第1章 「関東郡代」の呼称と職制
     (「関東郡代」に関する職制史的考察/「関東郡代」の呼称と伊奈
      家/「御代官 」伊奈氏に関する分析視角―結びにかえて)
第2章 幕府代官伊奈氏の歴史的性格
     (「御代官」伊奈氏の形成と家格/享保期の幕政と伊奈氏の性格
      変化/「掛り御 用向」と「関東郡代」意識)
第3章 伊奈氏の貸付金政策と家中騒動
     (伊奈氏の代官財政/貸付金政策の展開と特質/家中騒動に
      関する再検討)
第2部 江戸周辺の地域編成と伊奈氏
第4章 江戸城「御菜御肴」上納制度と代官伊奈氏
     (江戸前期における「御菜御肴」上納とその由緒/享保期におけ
     る「御菜御肴」 上納由緒の改変と上納廃止問題/伊奈氏の失脚
     と「御菜御肴」の代銭納化)
第5章 御鷹野御用組合の形成・展開と地域
     (御鷹野御用組合の形成過程/触次役の創出と変容・分化)  
補説 伊奈氏の更米拝借仕法と「御拳場村々」     
    戸田領五か村における触次「引替」争論
第6章 享保改革期における「御場掛」の活動と植樹政策
     (「御場掛」の系譜と性格/享保期の「御場掛」の活動/江戸周
      辺地域における 植樹政策の展開)  
補説 浅草観音の「御成跡開帳」と「御場掛」     
    伊奈氏失脚後の「御場」をめぐる動向
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