中世の神社と祭り
岩田選書◎地域の中世H

水谷 類 著
(明治大学非常勤講師/1952年生まれ)

2010年8月刊
A5判・256頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-87294-636-9 C3321
3000円(税別)
「祭りは「伝承」世界に根差している。文献資料は「伝承の海」に漂う数葉の枯れ葉でしかない。恩師である萩原龍夫先生が説いていたとおり、「史料と伝承の両輪」に頼らなくては、祭も神社も姿を現わしてくれない。そのためには「伝承」世界、「伝承」資料をどこまで活用できるか、その方法の確立が鍵を握っているに違いない。」(「序にかえて」より)
本書は著者が、文献から、神社と祭りに迫ろうと試みた成果。
【主要目次】
鹿島社大使役と常陸大掾氏
 鹿島七月大祭の特質/
 鹿島大使役記の検討/
 常陸大掾七流の成立/
 大使役の巡礼体制
中世神社における社領支配の特質―常陸国鹿島社の場合―
 中世神社成立の諸前提/
 鹿島社領田数注文と常陸国大田文/
 中世的神官組織の展開/
 大禰宜所領の特質/
 社領支配の構造/
 中世の神社と社領
国司神拝の歴史的意義
 国司神拝の成立と展開
  (国司神拝の歴史的前提/成立期の神拝/諸社巡拝/時範記の神拝)/
 国司神拝の特質
  (神宝奉献/国司の任国支配と神拝)
惣社の成立
 惣社・一宮研究の現状と課題/
 惣社固有の役割/
 神勧請と神名帳/
 寺院惣社と国分寺/
 中世的神祇世界の誕生
猿投神社の田遊史料
 中世の田遊史料/
 近世の田遊史料/
 近代の田遊史料/
 田遊の復元
中世の村落と宗教―三河国猿投神社の年中行事―
 土豪層の結集と神社/
 荘園鎮守神と地頭/
 農業神と村人層/
 開かれた宗教、閉ざされた神々
「宗教センター」と「宗教サロン」
 ―中世尾張・三河宗教文化圏のダイナミズム―
 中世社寺縁起の生成/
 「貞和五年一年中祭礼記」の世界/
 宗教センターとしての中世神社/
 宗教サロンとネットワーク
今宮神社の祭礼と鹿沼の人びと
 都市を形成するふたつの住民/
 中世御頭祭祀の復元/
 世間の登場と鹿沼町/
 近世鹿沼六十六郷と今宮御当郷/
 16郷から18郷へ/
 近世都市祭礼の盛行と近世的氏子の登場
地方神職と卜部神道吉田家
 死人掘起し出入一件/
 鹿沼御当郷祭祀と鹿沼宿町人衆/
 吉田家と今宮祠官/
 関東の在地神職と吉田家/
 禁忌解除と吉田家の役割
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