ホキ傳・陰陽雑書抜書 岩田書院 影印叢刊I 久野俊彦・小池淳一 編 2010年5月刊 A5判・332頁・上製本・函入 ISBN978-4-87294-617-8 C3321 6900円 |
|
本書には、福島県会津地方の修験家に伝来した陰陽書2種を影印版(写真版)で収録し、解説と、内容細目および索引を付した。 両書とも、新出の写本で、書写の時期は中世にさかのぼると推定される。 地域において多様な活動を繰り広げていた里修験(ホウイン・法印)が所持していた写本で、特異な位置を占める。 「本書は『寛永九年版 大ざつしよ』(橋本萬平・小池淳一編、岩田書院、岩田影印叢刊、1996年)に続く陰陽道書の影印書である。これまでの民俗学では、文字文化と口頭伝承を対立的に捉え、口頭伝承を重視してきた。しかし近年では、民俗文化と文字文化との相互不可分的関係や円環的関係が明らかにされつつある。日本民俗学の成立期には、多くの分野の研究者が民俗学に注目して民俗研究を行った。そのため各方面からの相互の引力で民俗学の分野が拡張されてきた。現代の民俗学も、フィールドは変貌してゆくとしても、地道な民間伝承の調査を重視し、フィールドワークの中から見出される文字資料を研究資源化して読解し、民俗研究の資源の拡張を行うとともに、諸分野と協業した研究を行うことが望まれる。本書がその資材の一つとなれば幸いである。」 (「あとがき」より) |
【主要目次】 |
吉祥院蔵『ホキ傳』 龍蔵院蔵『陰陽雑書抜書』(A本・B本) 解説1 『ホキ傳』の意義 ──────────小池 淳一 内容細目・索引 |