岩田書院影印叢刊1
寛永九年版大ざつしよ


橋本萬平(神戸大学名誉教授)

小池淳一(弘前大学助教授)共編

1997年1月刊
A5判・248頁・上製本・函入
ISBN4-87294-70-2
5900円
2002年7月 2刷出来
                 

本書は、寛永9年(1632)の刊年のある最古の『大ざつしよ』(国立国会図書館蔵)を写真版(影印版)で複製したものである。
『大ざつしよ』は当初は暦注として、主として日の吉凶、方角の善悪を示すものであったが、時代と共に次第に内容が増大し、三世相、種々の占いや呪い(まじない)等、庶民の生活に密接に関係のある事項を取り込んで、幕末には生活百科全書の観を呈するに到った。またこの『大ざつしよ』を原典として、種々の陰陽書も出版されていった。従って江戸庶民の信仰・民俗・文芸を知るには無視できない本である。
『大ざつしよ』は江戸期を通じて百種類余りも出版されたが、人々が日常座右に置いて参考にしたために、本は汚れ傷み、完全な姿で残っているものが少なく、あまり学者の目に触れず、研究されてこなかった。
今回の影印版は『大ざつしよ』研究の原点ともなるべきもので、刊行にあたっては、研究の基礎となるべき解説2篇を収録した。


【主要目次】

寛永九年版大ざつしよ(影印版:146頁)
十干十二支、暦の次第、厄神日、参宮せざる年、門出せぬ日、商いによき日、天より福きたる日、万物のわき出る日、不浄日、神仏造作の吉日、屋敷二十二相図文、家作り四季によって忌む日、屋根をふかざる日、家を買わざる日、長病日、地忌日、灸をせざるの日、など87項目
人の生るる年によりて善し悪しを知る、からす鳴きのまじない、入学吉日、竈の口を開くる方、生れ性、男女相性、下女おく吉日、願成就日、仏神加護日、神仏へ参らぬ日、友引の方、など49項目

解 説(94頁)
『大ざつしよ』の系統と特色 ……… 橋本 萬平
大雑書と民俗研究 ……… 小池 淳一


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