「本稿でいう「うつし」文化とは、モデル地域の景観や文化の象徴的部分を移入・再編成し、その上で、モデルとなる地域の名を冠したものにほかならない。「小京都・○○」「小江戸・××」「△△銀座」等々が、その代表であり、地域の開発や活性化・観光化とからむケースが多い。」(松崎「序論」より)
本書では、小京都として山口・津和野を、小江戸として栃木・佐原をとりあげた。そして、時代的に江戸前期までは京文化の、後期からは江戸文化の影響を強くうけた金沢をとりあげ、さらに、地域的に京と江戸の狭間にある磐田・掛川をとりあげ、その文化的特徴に分析を加えた。成城大学民俗学研究所
共同研究の成果。
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【主要目次】 |
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序 論 |
「小京都と小江戸」論に向けて |
松崎 憲三 |
■第1部 |
小京都をめぐって |
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小京都の祇園祭
−山口市を中心に− |
植木 行宣 |
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小京都・津和野
−見出された「安定空間」− |
山田 直巳 |
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「小京都・津和野」の発見
−イメージの形成と「小京都」の現状− |
高木 大祐 |
■第2部 |
小京都と小江戸の狭間で |
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金沢における小京都と小江戸の文化論 |
小林 忠雄 |
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静岡県下の「小江戸」と「天下祭り」
−磐田市掛塚と掛川市横須賀を事例として− |
松崎 憲三 |
■第3部 |
小江戸をめぐって |
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小江戸としての栃木
−舟運の歴史と山車祭りから− |
牧野 真一 |
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佐原祭礼の変容
−山車の維持・修理の分析を通して− |
及川 祥平 |
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佐原のまちづくりと「小江戸」「江戸まさり」 |
金野 啓史 |
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小京都・小江戸 一覧 |
佐山 淳史 |
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