宝満山の環境歴史学的研究


森 弘子 著
(太宰府市史編集委員/1946年生まれ)


2009年3月刊
A5判・874頁+別冊86頁・上製本・貼函入
ISBN978-4-87294-567-6 C3039
14800円
序:西高辻信良(太宰府天満宮宮司)
「本書では 宝満山の沿革、宗教環境史に触れ、修験 道の峯入り修行の史的復元を試み、また時間の経過とともに移り行く山の様子を踏まえ た上で、未来に向けて、この山のあるべき姿までも提言しています。」

序:宮家 準(日本山岳修験学会会長)
「本書は 著者の四十年近くに及ぶ調査研究によって発見した古文書・文献・発掘調査報告など数多くの資史料をもとにしたライフワークの所産である。そして宝満山と英彦山や宇佐八幡との関わり、中央の大峰・葛城の峰入りの摂取など、修験道史はもちろん、日本宗教史の流れに宝満山を位置づけ、政治や社会的背景を考慮して分析を進めている。それゆえ、本書は単に宝満山のみでなく、九州北部、さらに日本宗教の研究に大きな寄与をもたらすと考えられる。
 第W部の「山の環境と生活・人間」では、宝満山地域における近年の開発に伴う環境破壊にどう対処し、宝満山の自然と文化を未来に活かすかという、この地に生を受け宝満山を拝して暮らす著者ならではの思いを強く感じさせる論が展開されている。」

【主要目次】

第T部 宝満山の原風景
 三つの山名をもつ霊峰/
 宝満山の縁起/
 宝満山の遺跡/
 宝満山の絵図・地誌

第U部 宝満山の宗教環境史
 大宰府鎮護の山/
 鎮西の比叡山/
 宝満修験の成立/
 武士の世の宝満山/
 宝満修験の展開/
 神仏分離と官幣小社竈門神社の成立

第V部 山の自然と修行
 先行研究と概説/
 宝満山の秋峰修行〔大峯〕/
 宝満山の春峰修行〔葛城峯〕/
 夏行〔大巡行〕

第W部 山の環境と生活・人間
 宝満山を取り巻く人々/
 宝満山の山林/
 山の自然と自己解放/
 宝満山の現在・未来

宝満山年表

別冊 宝満山関係史料集(太宰府古文書を読む会との共編)
    縁起・記録など10点収録。

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