死の機能
 前方後円墳とは何か


小路田 泰直 編
(奈良女子大学教授/11954年生まれ)

2009年3月刊
A5判・212頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-87294-557-7 C3021
2800円 (税別)
第T部は、奈良女子大学のCOE「古代日本形成の特質解明」の一環として開催されたシンポジウム「死の機能−前方後円墳とは何か」(2008.10.13) の記録。
巨大な前方後円墳が、なぜ築造されたのか…。
初期の国家は、なぜ死者のためにあのような巨大な施設をつくったのか…。
古墳時代を、日本国家形成の一段階として、正当に位置づける。
第U部には、上記シンポにパネラーとして参加した佐藤弘夫氏の新著『死者のゆくえ』の書評2本を収める。
同書は、死と生のありようを古代から現代までを見通した問題作で、本テーマにかかわる重要な問題を提起している。
【主要目次】
T シンポジウム「死の機能―前方後円墳とは何か―」
  ■古墳造営を促した死のイメージ
  ―無主の身体の発見と所有―
 死のイメージと、古墳に内包された死をめぐる論理について考える。
大久保徹也
  ■「大和」原風景の誕生
  ―倭王権が描いた交差宇宙軸―
 「黄泉の国」はどこか/
 「黄泉の国」原風景の起点/
 前方後円墳誕生前夜の景観/
 方後円墳の方位と空間配置/
 「大和」原風景の誕生/
 生死観と前方後円墳
北條 芳隆
  ■前方後円墳に宿るもの
  ―祖霊観の系譜からみた―
 霊的な存在が留まっている古墳の祭祀を行っていた人々が共有した観念とは。
佐藤 弘夫
  ■箸墓の意味
  ―崇神天皇紀の読み解き方―
 箸墓伝承の分析をてがかりに、前方後円墳の意味を探る。
小路田泰直
  ■討 論
 

U 佐藤弘夫著『死者のゆくえ』(岩田書院 2008年)をめぐって
  ■「霊魂」の発見のプロセスについて
  ─『死者のゆくえ』を読んで―
麻生  武
  ■近世史思想史研究の視点から
  ―書評『死者のゆくえ』―
勝目 花穂

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