早池峰岳神楽
 舞の象徴と社会的実践

長澤 壮平 著
(南山大学南山宗教文化研究所研究員/1972年生まれ)

2009年3月刊
A5判・278頁・上製本・カバー装
ISBN978-4-87294-555-3 C3039
7400円(税別)
本書では、岩手県花巻市の早池峰(はやちね)山麓を拠点とする「岳(たけ)神楽」を対象として、舞の次第と空間の構造に焦点を当てる。
まず第1部では、ビデオで撮影した映像に基づいて、所作や次第を詳細に記述し、それらの所作をコード化し、順序や反復の構造を表にし、文書資料も参照しながら、その、舞の象徴としての意味を分析する。そして第2部では、舞い手・観衆・研究者など、すべての人々を含めた社会的相互作用としての「社会的実践」について論究する。

【主要目次】

 序 章 目的と方法、および事例の概説
第1部 舞の意味と力
 第1章 鶏 舞(観念/所作の次第と空間構造/分析)
 第2章 翁 舞(観念/所作の次第と空間構造/分析)
 第3章 三番叟舞(観念/所作の次第と空間構造/分析)
 第4章 八幡舞(観念/所作の次第と空間構造/分析)
 第5章 山の舞(観念/所作の次第と空間構造/分析)
 第6章 岩戸開き舞(観念/所作の次第と空間構造/分析)
第2部 人々の実践
 第7章 上演に根ざす岳神楽の近代
  岳神楽の概要と近代における変容/
 演者における抵抗感と「感じ取ること」への信頼/
 「いまの上演」の相貌/
 神事執行の実践)
 第8章 心的資源としての岳神楽
  地元コンテクスト/
  地元外コンテクスト
 第9章 権現さんの型と身体
 権現と獅子頭/
 権現と早池峰山のイメージ/
 儀礼次第と空間の型/
 生活空間における実践/
 獅子頭と舞の喚起力
 第10章 上演の場
 上演の場の時空/
 演者における身体技法と意味の受容/
 演じられている型の統一/
 環境の諸要素/
 上演の場の体験から実践の再生産へ/
 演じられている型の相貌/
 主観的経験の力動性伝達のメディアとしての民俗芸能
 終章  


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