死者のゆくえ

佐藤 弘夫 著
(東北大学教授/1953年生まれ)

2008年3月刊
A5判・252頁・上製本・カバー装
ISBN978-4-87294-500-3 C3014 \2800E
2800 (税別)

 2009年7月*4刷
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「私はこの本において、そうした既往の研究の伝統と成果を踏まえながら、改めて日本列島において死がどのように取り扱われてきたかを考えてみたいと思っている。その際、著名な思想家を取り上げてその人物の死生観を再構成したり、死を論じた各時代を代表する著作を羅列したりするといった方法はとらない。本書が目指すものは、特定の知識人の死生観ではない。それぞれの時代の人々が共有していた、死に関わる観念の解明である。
 この列島に住む大方の人間が、死をいかなるものとして捉えていたのか、死者をどのような存在とみていたのか、それが時代とともにいかに変化していったのかという問題を、世界観のレベルで総体として明らかにしていくことである。体系化された頂点思想としての死生観は、そうした時代思想のなかに位置づけて、はじめてその意義を理解することが可能になると考えられる。」                  (本書「序章」より)
【主要目次】 

序 章 死の精神史へ−方法と視座−
(遠野物語の世界/柳田説の再検討)
第1章 風葬の光景
(心象の化野/撒かれる骨/古代人における生と死/死者はどこに行くのか/古代人の他界観)
第2章 カミとなる死者
(巨大古墳の時代/古墳の思想/墓と樹木/死霊からカミへ/王権を守護する天皇霊/死霊と御霊)
第3章 納骨する人々
(八葉寺の夏/拡大する彼岸世界/骨に憑く霊/この世に留まる死者/往生を拒む人々)
第4章 拡散する霊場
(青葉山植物園の板碑/板碑の建立と浄土往生/創られる霊場/勝地と境界/霊場を拒否する人々)
第5章 打ち割られた板碑
(破棄された板碑群/供養塔から墓標へ/縮小する他界/墓に憩う死者/菩提寺の時代)
終 章 死の精神史から
(異界からの眼差し/死の観念の変容/生者と死者の精神史/死の比較文化論的研究)
引用・参考文献一覧/使用テキスト一覧


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